顧客が商品の購入を決断するまでには、様々な心理段階とハードルがあります。
元になる考え方は、ローランド・ホールが提唱した「AIDMA(アイドマ)の法則」という消費者の心理的態度の変遷を示す顧客心理変容モデルです。
「Attention(注意)」→「Interest(関心)」→「Desire(欲求)」→「Memory(記憶)」→「Action(行動)」の頭文字を取ったもので、大きく「認知段階」「感情段階」「行動段階」の3つのプロセスに別れます。
「認知段階」は商品の存在や効能を知るという段階です。「感情段階」は「好きか嫌いか」「使ってみたい」など気持ちを判断する段階です。「行動段階」は行動を、ズバリ「買う」「使う」という段階です。
最近では、インターネットによる検索行動や、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)による情報共有や情報発信行動を取り入れた「AISCEAS」 モデルなども提案されています。
「Attention(注意)」→「Interest(関心)」→「Search(検索)」→「Comparison(比較)→「Examination(検討)」→「Action(購入)」→「Share(共有)」
購入プロセスモデルは、顧客が自社商品の存在を知るところから、購入を決断して使用し愛着や共感を持つまでの顧客の経験を、顧客の目線で顧客が体験する順にもれなく追っていく手法です。その購入プロセスモデルに沿って、顧客が途中で離脱しないように、様々な策を講じて顧客に自社商品を選択し、購入してもらえるようにします。そのためには、自社商品がどのようなプロセス、とりわけ顧客の心理変容段階を経て購買判断をされているのかを、できるだけ詳細に把握しておく必要があります。さらに、プロセスのどの段階で顧客が何を判断しているのか、また、結果的に自社商品の購入にまで至らなかった顧客は、どの段階で何故購買プロセスから離脱したのかを詳細に分析します。
同じ商品でも、量販店で購入する顧客と、ネット通販で購入する顧客とでは、異なる購入プロセスと評価関門をたどる場合があります。商品によっては、顧客とチャネル、購入プロセスによって、異なる仕様を訴求した方が効果がある場合もあるのです。
様々なモデルが提案されていますが、ここでは、下図のような購入プロセスモデルを仮説として提示しておきます。
自社商品の顧客ごとの誘引導線と顧客接点ツールを設計する際のたたき台として活用して下さい。(Text by 大藤 恭一)